「なんとなくの感覚で経営判断をしてしまう」
「数字よりも感情で物事を決めてしまう傾向がある」
「学び続けることの重要性は分かっているが、続かない」
このような経営上の悩みを抱えている整骨院・鍼灸院の先生も多いのではないでしょうか?
実は、これらの問題には脳科学的な根拠があり、適切な対策を講じることで劇的に改善できることが分かってきました。
整骨院・鍼灸院経営者のための脳科学活用法|パペッツ回路と前頭葉トレーニングが経営判断力を高める理由

こんにちは、治療院成功塾を主宰しています、作尾大介です。
突然ですが、人の感情をコントロールしている脳には「パペッツ回路」と呼ばれるシステムがあります。
そして、パペッツ回路が人の意思決定に大きく関与しているのです。
パペッツ回路とは何か
パペッツ回路は、海馬・乳頭体(にゅうとうたい)・視床前核(ししょうぜんかく)・帯状回(たいじょうかい)・海馬傍回(かいばぼうかい)などの脳構造を介し、記憶や情動(感情)に深く関与する神経経路です。
海馬・乳頭体…等々なんだか難しいですね…汗
パペッツ回路はこのイラストのあたりで働いていると思ってください。
◇
パペッツ回路の活動は、「快」「不快」などの基本的な情動反応や行動動機づけに関係があるとされています。
そして、このパペッツ回路の機能を理解することで、整骨院・鍼灸院の経営判断力を大幅に向上させることが可能になります。
整骨院のリピート率が飛躍的に向上!患者さんの来院時にもパペッツ回路が働いている

患者さんが先生の治療院に来院する際も、同様にパペッツ回路が働いています。
・過去の治療経験(良い体験・悪い体験)
・治療院の雰囲気や清潔感
・先生の表情や話し方
・痛みへの不安や期待
これらすべてが患者さんの感情的な反応を引き起こし、治療効果や継続来院に大きな影響を与えています。
さらに重要なことは、先生自身のパペッツ回路も常に働いているということです。
患者さんの離脱の原因を探れ!感情任せの経営判断が治療院経営に与える危険性
情報処理における感情と理性の役割

私たちの脳は「入ってくる情報(インプット)」を、過去の体験や記憶と結びつけて解釈します。
この“解釈”を強く左右するのが情動の回路=パペッツ回路、ブレーキ役が前頭前野(前頭葉)です。
例えば、酔っ払っている時に感情を抑制できずに失礼なことをいったり、泣き出したり、怒り出すような人を見たことはないでしょうか?
アルコールで前頭葉の抑制が効かなくなれば、感情や行動を抑制できません。
それと、同様に前頭葉の機能がわるくなってくると感情の抑制ができず、論理的な判断ができなくなるようになります。
このようになってしまうと、冷静な経営判断ができず、詐欺や悪徳コンサル、陰謀論者の餌食になる恐れがあります。
具体的な例で理解する整骨院経営に活かせるパペッツ回路のメカニズム
たとえば、カレーの匂いで「お腹がすく」人もいれば、カレーを食べ過ぎて腹を下した嫌な記憶がよみがえる人もいるでしょう。
同じ刺激でも反応が違うのは、脳が過去の体験や知識と結びつけて”解釈”するからです。
整骨院・鍼灸院経営における感情的判断の危険性

感情のエンジンが強く回ると、思い込みに引っ張られる傾向があります。
例えば:
・「この患者さんは良い人そうだから」という理由で治療方針を変更
・「なんとなく売上が下がりそうで不安」という理由での施策変更
・数字を見ずに「きっと大丈夫」という楽観的判断
これらは全て、パペッツ回路による感情的な判断に基づいているのです。
治療家として経営者としてスキルアップ!前頭葉トレーニングで経営判断力を向上させる方法

論理的な経営判断や治療を組み立てる前頭葉の役割とは
一方で、前頭前野(前頭葉)は”事実と解釈を分ける”役目をしています。
「本当にそうか?」と確かめ、数字や根拠、情報の裏付けで冷静に判断させます。
リピート率や売上などの数値は、まさに客観的に自身の経営者として、治療家としての現在の価値を測ることができる指標です。
整骨院・鍼灸院をを独立すれば経営者!経営者の本質的な仕事
経営者の仕事=情動や感情の勢いに流されず、事実で決めること
あらゆる刺激に対して、その時その時に反射のように湧き出る感情を前頭葉で抑制し、なおかつ考えて自身で最良の選択をする必要があります。
経営者として、治療家として永遠にレベルアップが可能!脳の可塑性を活用した学習継続の重要性

人間の脳は一生育ち続ける
私が今から東京大学に合格するのは無理でしょうが、脳は一生育ちます。
だから良質なインプットを継続すれば、今からでも間に合うのです。
脳には可塑性があります。新しい情報・新しい体験・反復アウトプットで、神経回路の結びつきは強くなります。
神経の結びつきが強くなるのは、20代や30代、40代で終わりではありません。
神経可塑性に関する科学的根拠
カナダのマギル大学の研究(Zatorre, R.J., et al., 2012年)によると、成人においても適切な学習により大脳皮質の構造変化が確認されており、特に前頭葉における神経可塑性は生涯にわたって維持されることが明らかになっています。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3660656/
成人の学習で大脳皮質構造が変化する
“Human brain imaging has identified structural changes in gray and white matter that occur with learning.” PubMed
“…results in increased gray matter in frontal and parietal cortex after just 2 days of training.”
前頭葉の可塑性(ミエリン)に関する生涯的な示唆
“…myelination is dynamic through development and into early adulthood, notably in the cerebral cortex, where the frontal lobes are the last regions to myelinate.” ResearchGate
“Internodal lengths decrease in visual cortex… suggesting active remyelination throughout life.” ResearchGate
だから、正しいインプットを続ければ、判断の精度は必ず上がります。
整骨院・鍼灸院経営者として、治療家としておすすめの質の高いインプット

経営者として治療家として仕事に生かすために、質の高いインプットとしておすすめしているのは:
1. 読書や論文で知らないことを学ぶ
最新の治療技術に関する論文
経営戦略に関する書籍
一般教養や、治療技術の基礎知識、情報処理能力を高めるために日頃から書籍を読む。
2. 知らない環境に行くこと(転地効果)
セミナーや勉強会への参加
遠くで開催されているセミナーでも、学びのためなら遠方でも参加する
他業種の経営者の取り組みをみて学ぶ
家事や育児、自分が体験してないことも積極的に協力して知らないことから学びを得る
3. スマホやタブレット、ゲームばかりではなく実際に5感を通して学ぶこと
手技療法の実技練習
経営戦略の実践的ワークショップ
4. 今までやっていなかったことを取り入れる
動画コンテンツの作成
コミュニケーションスキルの習得
広告作成や文章作成で頭を使う
治療院成功塾のコンテンツが前頭葉トレーニングになる理由

治療院成功塾の学習システム
治療院成功塾のグループセッションの内容や、毎月の課題、皆に向けて習慣にしていただきたいコンテンツは、良質なインプットにつながります。
そして、インプットによって学んだことを、日々の業務に取り入れてアウトプットすることで学びのサイクルができて、自身の能力に磨きがかかってきます。
実際に治療院成功塾のメソッドを取り入れた先生は、回数券での囲い込みや値引き集客をせずに月商100万円を安定して稼ぎす続けています。
整骨院・鍼灸院経営者として、治療家として脳に負荷をかけることの重要性
自分の知らないことや、考えないといけないことって脳が疲労するので、反射的に避けたくなります。
でも、そんな時こそ脳に良質なインプットができるんです。
頭を抱えて原稿の作成するなんてまさに、嫌なことかもしれません。
ただ、そんな課題に取り組んでいる時こそ前頭葉が活性化しています。
脳トレーニングに関する科学的根拠
東京大学の研究チーム(Kawashima, R., et al., 2005年)による脳機能画像研究では、複雑な認知課題に取り組む際に前頭前野の血流が有意に増加し、継続的な実施により判断力や計画性が向上することが確認されています。
現状維持は破滅への道|成功し続ける治療院経営者になるために
体に汗をかくだけでなく、脳に汗をかく

これからはただ働いて体に汗をかくだけでなく、新しいことを柔軟に取り入れて良き伝統を守りつつ、脳に汗をかいて経営者として治療家として高みを目指しましょう。
現状維持は破滅の道なんです。
治療院成功塾で実現できること
治療院成功塾のコンテンツは、今後治療家として事業を継続する上で、自身を成長し、事業を安定させるきっかけになります。
具体的には:
1. 前頭葉トレーニングによる判断力向上
2. 感情に流されない経営戦略の構築
3. 継続的な学習習慣の確立
4. エビデンスベースの治療院運営
学び続ける整骨院・鍼灸院経営者として仲間ができる
一人で学び続けることは困難ですが、同じ志を持つ仲間と一緒であれば継続が可能になります。
治療院成功塾では、全国の整骨院・鍼灸院の先生たちが互いに刺激し合いながら成長しています。
まとめ:パペッツ回路を理解し前頭葉を鍛える治療院経営

学びをやめれば、判断は”感情任せ”になります。
しかし、パペッツ回路の仕組みを理解し、前頭葉のトレーニングを継続することで:
・客観的な数値に基づく経営判断ができるようになる
・感情に左右されない治療方針を立てられる
・継続的な成長により競合他院との差別化が図れる
・患者さんとの信頼関係をより深く構築できる
これらが実現できるのです。
安定した整骨院・鍼灸院経営を実現するために一緒に学びませんか?

「今の経営スタイルを変えたい」
「感情ではなく、事実に基づいた判断をしたい」
「継続的に学び続ける習慣を身につけたい」
そんな先生は、ぜひ治療院成功塾で一緒に学びましょう。
まずはLINEでお気軽にご連絡ください。
[https://line.me/R/ti/p/%40464dvoau]
最後までブログをご覧いただき、ありがとうございました。皆様の整骨院・鍼灸院経営の成功を心より願っています。
参考文献・出典
1. Zatorre, R.J., Fields, R.D., Johansen-Berg, H. (2012). “Plasticity in gray and white: neuroimaging changes in brain structure during learning” Nature Neuroscience, 15(4), 528-536.
2. Kawashima, R., Taira, M., Okita, K., et al. (2005). “A functional MRI study of simple arithmetic–a comparison between children and adults” Cognitive Brain Research, 18(3), 225-233.
3. Papez, J.W. (1937). “A proposed mechanism of emotion” Archives of Neurology & Psychiatry, 38(4), 725-743.
4. 坂井克之, 石川春律 (2018). 『イラストレイテッド神経科学』リッピンコットシリーズ, 丸善出版.
(監修 柔道整復師・鍼灸師 作尾大介)
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