患者さんとのコミュニケーションで大切なこと~リピート率を左右する「関係性」の作り方~
先日、ある整骨院の先生からこんな相談を受けました。
「技術は学んできたのですが。でも、なぜか新規患者さんにリピートしてもらえなくて…」
実は私も開業当初、同じような悩みを抱えていた時期がありました。
一生懸命治療しているのに、なぜか患者さんが続かない。
「自分の技術が足りないのかな」と、さらに技術セミナーに通い詰めたこともあります。
でも、ある時気づいたんです。問題は技術だけじゃなかったんだと。
先生と患者さんとの「関係性」がリピート率と治療効果を高める理由
整骨院・鍼灸院の先生方にお聞きしたいのですが、患者さんとの理想的な関係性ってどんなものだと思いますか?
「友達のような関係」
「親子のような関係」
「先生と生徒のような関係」
…いろいろな考え方があるかもしれません。
私が考える理想的な関係性は、大人と大人として対話ができる関係です。
なぜかというと、慢性痛の治療では何度か通院していただく必要がありますよね。
生活指導や、痛みを引き起こす行動の見直しを、患者さんに受け取りやすいように提案していく必要があります。
そのためには、治療家がイニシアチブを取りながらも、お互いを尊重する関係性が欠かせないんです。
治療家が「子供」になっていませんか?
ここで少し耳の痛い話をさせてください。
治療院の現場で、こんな状態になっていることはないでしょうか。
・習った技術で良くしたい(自分が試したいことを優先してしまう)
・「自分はこういう人間だから」と、自分のパーソナリティを患者さんに許容してほしいと思っている
・自分の気分や体調を理由に、対応が変わってしまう
これらは、心理学的に見ると「子供」の状態なんですね。
大人の定義を整理すると、こんな感じになります。
・自己責任の自覚:自分の行動・感情・選択の結果を引き受けられる
・他者への共感:相手の立場を考えて理解し、尊重できる
・感情の管理:感情に流されず、自分を俯瞰して見られる
「俺は不器用な人間だから」
「人見知りなんで…」
プライベートではそれでいいかもしれません。
でも、治療という場面でこれを持ち出してしまうと、どうでしょうか。
患者さんは「治したい」と思って来院されています。
こちらが子供の状態だと、そこに不一致が生まれてしまい、患者さんは来院をやめる傾向があります。
慢性痛を施術する上で治療家はコミュニケーション力が必要な理由
ここで一つ質問です。
自費診療で扱うことが多い症状は、肩こりや腰痛、頭痛、坐骨神経痛といった慢性痛になります。
では慢性痛の治療に何が必要だと思いますか?
私は慢性痛の治療は「教育」が必要だと考えています。
例えば肩こり。
「肩が凝ってます」と訴える患者さんに、なぜ肩が凝っているのか、どういう状態になっているのかを説明する必要がありますよね。
患者さんの中には、タバコをやめられない方、食べ過ぎ・飲み過ぎの方、運動不足の方…我が強くて協調性がないために社会やコミュニティに馴染めない方もいらっしゃるかもしれません。
でも、そんな方に面と向かって「だから病気になったんですよ」なんて言ったら、元も子もないですよね。
だからこそ、コミュニケーションを通じて関係性を構築し、お互いの妥協点を探りながら、未来を提案していく。
これが治療なんだと思います。
治療院のリピート率は「EQ」を高めることによって育まれる
IQという言葉はご存知だと思います。
論理的思考や記憶力、知力や学力に関わる能力ですね。
一方でEQ(心の知能指数)というものがあります。
これは後天的に身につけられる能力で、感情を扱う能力、対人関係・コミュニケーション能力とも言われています。
EQには4つの要素があります。
- 感情の識別:自分や他者の感情を正しく認識する能力
- 感情の管理:自分の感情をコントロールし、衝動的な行動を抑える能力
- 感情の利用:目標達成のために感情を思考や行動に活かす能力
- 人間関係の管理:共感力で他者の気持ちを察し、良好な関係を築く能力
患者さんと話しているとき、相手の口調がちょっと変わったな、身振り手振りが増えてきたな…そういったことに気づけるようになると、コミュニケーションの質が格段に上がります。
患者さんがリラックスして治療を受けるための安心安全の場を提供する

患者さんにリラックスして治療を受けていただくために、まず大切なのが安心安全の場の提供です。
脳科学の観点から見ると、安心している状態では大脳新皮質が活動し、理性的な判断ができます。
でも、警戒している状態だと、感情が反応して「ここから抜け出したい」という本能的な思考になってしまうんですね。
具体的には、こんなことに気をつけてみてください。
・整理整頓:散らかった環境は、患者さんの脳に過剰な視覚情報を与えてしまいます
・余計なものを置かない:趣味のグッズ、関係ないポスター、古い雑誌…等の必要ないものは処分しましょう
・清潔感:色あせたスクラブやタオルは使わない、生活の匂いが入らないようにする
整骨院の内装や外観は、リピート率にとても影響します。
シンプルにすること、これだけで患者さんの緊張がほぐれやすくなります。
患者さんがまるで昔からの知り合いのように話し出すコミニケーションの秘訣
問診で意識してほしいのが、患者さんの感情を引き出すことです。
よくある問診では
「病院では何て言われましたか?」
「MRIは撮られましたか?」
といった医学的な質問が中心になりがちです。
もちろんそれも大切ですが、それだけでは足りないんです。
こんな質問を投げかけてみてください。
・「今までどんな治療を受けてこられましたか?」
・「どれぐらいの期間、その治療を続けられましたか?」
・「そんな状況で、お仕事とかはどうされてきたんですか?」
・「どうしてそこまで頑張ろうと思われたんですか?」
すると、患者さんから「実はね…」「そうなんですよ」といった言葉が出てくることがあります。
これが出てきたら、その患者さんの感情を引き出せているサインです。
治療院のリピート率は患者さんの言葉を引き出すことで高くなる
最後に、一つだけ覚えておいてほしいことがあります。
問診の最初の段階で、正論は必要ありません。
「座りっぱなしだから腰が痛くなるんですよ」
「運動不足だから肩が凝るんですよ」
「スマホの使いすぎですね」
言いたくなる気持ちはわかります。
でも、初診の冒頭でこういった医学的な説明をしてしまうと、その時点でリピートしなくなる可能性が高いんです。
治療の中で、体の状態の説明とともに、受け取りやすく伝えていく、これがポイントです。
問診は、話を聞くことに焦点を合わせてください。
先生と患者さんの話す割合は、圧倒的に患者さん多い状態が理想です。
つまり、患者さんに8割話してもらうため、質問と肯定的な傾聴。
これを意識するだけで、患者さんとの関係性は大きく変わっていきます。
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患者さんとのコミュニケーションで大切なことは、
・大人と大人として対話ができる関係性を築く
・自分が「子供」の状態になっていないか自覚する
・EQ(感情を扱う能力)を意識的に高める
・安心安全の場を提供する
・患者さんの感情を引き出す質問をする
・問診では正論を言わず、まず話を聞く
これらを意識してみてはいかがでしょうか。
技術はもちろん大切です。
でも、その技術を活かすための土台となるのが、コミュニケーションなんです。
患者さんが「この先生に任せよう」と思ってくれる関係性、それが築けたとき、自然とリピート率は上がっていきます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
先生方の治療院がますます発展されることを心よりお祈りしております。
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参考文献・出典
・令和7年11月 治療院成功塾セミナー講義内容より
・ニューロサイエンス(神経科学)に関する知見を参照
監修
治療院成功塾 主宰 柔道整復師・鍼灸師 作尾大介










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